恋人はご主人様
この鈴の音のような声が好きだ。
たまに素直に笑ってくれる。
そんなところに僕は惹かれたんだ…。
「絢菜さん、もう放しませんから…」
「放したら許さないわよ?」
「あはは…」
か細い腕が僕の背中に回る。
やっぱり僕も、絢菜さんがいないとダメみたいだ。
こんなに離れていたのは、出逢ってから初めてだったし。
絢菜さんの香水に落ち着いてきた。
やっぱり…この人がいなきゃ、ダメだ。
「仕方ないから、許してあげるわ」
「ありがとうございます」
頭1つ分低い位置にある髪をすく。