恋人はご主人様



「へぇ…そういえばそんなことがあったような…」


校長先生が話していたような気もする。

寝ていてよく覚えてないけど。

それがこの人…か。


「それで、僕に何か用ですか?」

「アンタは…話聞いてなかったわけー?!」

「っぐ…」


また胸ぐらを掴まれて、息が出来なくなる。

この人…人に頼む態度じゃないですよ…。


「あ、やばいやばい!
 …だからさ、アンタに協力してほしいんだってば」

「…内容は?」


曲がったネクタイを戻しながら聞く。

少しでも変だったら怒られるので…。

もちろん、絢菜さんに。

なかなか言わない崎本さんが気になって、目だけで見た。



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