それでも生かされる
彼女と出会ったのは、小学校2年のときである。友達が居ないで一人でいる加奈に喋りかけたのは私の方だった。
彼女はクラスに馴染めず、ずっと教室の端の方に座り、絵を描いていた。
その絵は何か形があるものではなかった。色に色を重ねた抽象的な絵で、加奈の心情を現わしているような、どこか暗く閉鎖的な臭いがした。
しかし私にはその絵が魅力的に思えたのだ。なんとも言えない、胸の奥にある闇の部分を抉られるような気持ちにさせられた。
友達になるには時間はかからなかった。
彼女はクラスに馴染めず、ずっと教室の端の方に座り、絵を描いていた。
その絵は何か形があるものではなかった。色に色を重ねた抽象的な絵で、加奈の心情を現わしているような、どこか暗く閉鎖的な臭いがした。
しかし私にはその絵が魅力的に思えたのだ。なんとも言えない、胸の奥にある闇の部分を抉られるような気持ちにさせられた。
友達になるには時間はかからなかった。