三代目J Soul Princess
*17*

ちょうど楽屋に1人だし、整理するために自分の気持ちを声に出していた。

紗「でもどうやって?」
紗「そんなん本人に直接!」
紗「無理に決まってるやん」
紗「インスタでも本音ぶつけてみようよ!って言われた」
紗「しかも最近健二郎との写真ないねって言われたで」
紗「やばない!?」
紗「でも私が悪いんじゃないし」
紗「そうやで、まず謝ってもらわな」
紗「謝ってこおへんかったらどうする?」
紗「そんなん健ちゃんじゃない」
紗「大丈夫大丈夫信じて待つ」
紗「自分からいくのも大事やと思うけどな…」
紗「それができたら苦労せんわ!」
臣「何言ってんの」
紗「ふぁ!?!?」

私がひとりごとを言っていると、突然広臣さんの声が聞こえた。

隆「一人芝居?(笑)」

振り返ると、隆二さんと広臣さんがいた。

紗「隆二さん広臣さんおったんですね…」
臣「さっき入ってきた」

最悪なタイミング…。

隆「悩み事?」
紗「ちゃいます!!」
臣「健ちゃん?」
隆「あー喧嘩してたもんね」
紗「健ちゃんじゃないです!」

なんで私の嘘って、すぐバレるんだろう。

臣「小さいけど大事な壁にぶつかってるんでしょ」
紗「それは…」
隆「健ちゃんのことだよね」
紗「…」

なんで健ちゃんのことってわかるんだろう。私そんなにわかりやすいのかな。

pipipi…
紗「あ、健ちゃん…」

ほんと、嫌なタイミングでかかってくるなぁ。

隆「電話でておいで」
紗「…すいません、」
臣「いってらっしゃい」

ーーー

楽屋から出て、深呼吸をしてから電話に出た。

紗「も、もしもし、」

なに、私、めっちゃ緊張してる。

健『もしもし』

久しぶりにこんなに近くで健ちゃんの声聞いた。

紗「…なに?」
健『お前今どこおるん』

ちょっと元気のない声。わかるよ。

紗「楽屋前」
健『ちょ、待っとけ』
紗「は、なんで」
ツーツー…

突然電話が切れた。

紗「なんで勝手に切るねん!」

ーーー

健「はぁ、はぁ、お待たせ…」

大きく肩を上下させて息を整えている健ちゃん。

紗「…ううん」

こんなに近くに健ちゃんがいるのはいつぶりだろう。一週間も経ってないのに、ずいぶん長い時間に感じた。

健「…久しぶり、やな」
紗「そうやな」
健「…紗奈」

少しうつむいていた顔を上げたせいで、私と目が合った。

健「こないだのこと、ほんまごめん」

そしておおげさに頭を下げた。

紗「…健ちゃん」
健「殴ってくれてもええよ!」

私が悪いのに。

紗「殴らんよ…私こそごめんな」
健「へ…」
紗「健ちゃんのこと、避けてごめん」

目を見て謝ることはできなかった。

健「………なぁ…なんで避けられてたん?俺」
紗「…それは…言われへん…」
健「そんなん、おかしいやん、理由もわからんと避けられて。…耐えられへん」

私が黙っていると、健ちゃんは私の肩を掴んだ。

健「…俺、ずっと紗奈のこと」

この言葉で健ちゃんが何を言おうとしているのか、察した。

紗「待って、ごめん、それ、聞きたくない」
健「え…」

私は肩に置かれている手をそっとよけた。

紗「私、健ちゃんに私離れしてもらいたくて、避けてた」
健「なんやそれ…」

相変わらず目は見れないけど、このほうがちゃんと気持ちを言える気がする。

紗「健ちゃんにはただのお兄ちゃんでいてほしい…」

この沈黙が何時間にも感じた。

健「…そうか」
紗「ごめん、ほんまにごめん…」

私は謝ることしかできない。

健「謝られたら惨めやんけ(笑)気にすんな」
紗「うん…」

ずっとうつむいて、私感じ悪いなぁ。

健「じゃあ、仲直りな!」
紗「うん」
健「記念に写真撮るか?(笑)」
紗「うん、撮るっ」

まだうつむいたままいると、健ちゃんの手が私の頬を包んだ。

健「じゃあ顔あげろっ」

そのまま顔を持ち上げられた。

紗「わっ」

久しぶりに見る健ちゃんの顔は笑顔だった。

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[健二郎と紗奈]

今日は健ちゃんと!!!
ひっさしぶりに写真撮ったな!

そういえば、小さいけど大事な壁、
乗り越えられましたよ。
みなさんのおかげです。ありがとう。

#やっぱり
#一番のお兄ちゃんは
#健ちゃん
#喧嘩もいっぱいするし
#相談もするし
#ほんまのお兄ちゃんよりも
#お兄ちゃんやわ
#あほやけどな
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@わーー!待ってました健二郎紗奈カップル!!
@ほんとに久しぶりだよね(笑)
@壁乗り越えられて、よかったね。
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