三代目J Soul Princess
*5*

健「なあー」

私がストレッチをしていると健ちゃんが話しかけてきた。

紗「なにー」

健ちゃんも私の横でストレッチを始めた。

健「なんで俺にだけタメ語なんー」

二人とも前を向いたまま。

紗「そら、健ちゃんが関西弁やからー」

三代目に入った当初、私が一人でいるときに、健ちゃんが優しく話しかけてくれたのだ。

健「なんやそれー」

そのときに、この人は信頼できる人だと思った。

紗「親近感やんかー」

その頃から、健ちゃんはずっと私のお兄ちゃん。

健「お兄ちゃんと思われてんか俺ー」

うわ、今、心の中読まれたのかと思った。

紗「ちゃうよー」

つい、見栄をはってしまうのが私の悪い癖。

健「えっなんなん!?」

すると急に目を見開いて勢い良くこっちを向いた。

紗「急になに…」
健「いや、なんもない…」

健ちゃんはすぐにストレッチに戻った。

紗「どっちかというと弟やしー」

この照れ隠しがいつも喧嘩の引き金をひく。

健「は!?それはちゃうやろ!」

健ちゃんは立ち上がって大声を上げた。

紗「だって健ちゃん子どもっぽいし!」
健「お前のが子どもっぽいわ!」
紗「そこで怒るのも子どもやゆーねん!」
健「そら怒るやろ!俺のが歳上やぞ!」
紗「歳上のくせに子どもっぽいな!ほんま!」
健「うるさいわ!ぼけ!」

この大声に対抗してしまうのも私の悪い癖だ。

紗「は!?…はぁ…もうええわ」

いつも大声で喧嘩して、疲れた。

健「え、いや、ごめんって」
紗「もういいし、向こう行く」
健「ちょ、紗奈…」

健ちゃんが本気で焦っている。

紗「くく…」
健「は?」

だめだ。笑いがこらえきれない。

紗「あはは!だまされた!」
健「な、なんやお前ーー!!」
紗「ばーかばーか!」

私たちが走り回っていると、横でフリ確認をしていた直己さんと目が合った。

己「…子どもっぽいのはお互い様なんじゃないかな、」
健紗「え」

これは遠まわしに怒られている…?

エ「言えてるっすね」
健紗「…」

エリさんにまで怒られちゃった。

健「お前のせいや」
紗「違う健ちゃんのせい」
健「は!」

また喧嘩が勃発しようとしたとき、

人「うるさい静かにしろ!!!」

直人さんがものすごく大きな声で怒鳴った。

健紗「ごめんなさい…」
健紗「…あほ」

このあと、直人さんは笑ってたけど。

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[むすっとした健二郎]

今日は健ちゃんが子どもっぽいっていう話題で持ちきりでした。
俺の方が歳上や!とかなんとか言ったりしてました。
ほんと子どもですよね。

#でもほんとは
#ほんとのお兄ちゃんみたいに
#思ってないこともない
#とか言ったら調子乗るよな健ちゃん
#やから絶対言わへん
#みんなも秘密にしててな
#って言ったら絶対言う奴おるな
#ばれるからやめときや
#紗奈ちゃん怒るで
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@じろちゃんすねてるwww
@紗奈と健二郎ほんとに兄妹みたいだもんね!
@絶対言う人いるよ(笑)
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