立志伝


「ええ、」


「清らかな心…」


(清らかな心?……)



「霞草の花言葉ですよ。見た目通りでしょう?」


「花言葉、ですか。母上に一度教えていただいたことはありますが、確かに霞草に相応しいですね。」



「そなたにもですよ、玖葛。私からすればそなたは霞草そのもの。その白さ故に眩しい…」


「架藍様?」


「クスッ、いいえ、何でもありませんよ。」


一瞬微笑みを見せると架藍は歩き始めた。
< 26 / 30 >

この作品をシェア

pagetop