立志伝
楼芳三年、暁が地平線より昇り始めた刻限に一人の赤子が生まれた。

玖葛と名付けられたその赤子は今世の王、葛螺の第一皇太子である。

その容貌は赤子ながら美しく玉のようであった。

それも相交じり、宮に身を置き仕える者たちは男御子の誕生を我が事のように喜んだのであった。
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