HANABI
「その代わり、キス、して。」
「は!?」
一番最初に告白した時よりも驚いてる粟生。
だけど怯む事なく、もう一度言ってやった。
「キス!そしたら、あたしちゃんと粟生の生徒になる。」
「お前なぁ…。」
頭を掻きながら
粟生は明らかに困ってる。
何よ。
あたしが粟生を想ってる気持ちを封印するって事は、生半可な事じゃないんだから!
それくらいしてくれなきゃ、諦めてなんかやらないし。
「…本気で言ってんんか?」
「本気。あたし粟生に嘘なんてつかないもん。」
ふんだ。
どうせ、キスなんて出来ないくせに。
あたしは粟生の生徒で、粟生はあたしの先生だもんね。
キスなんてしたら、それこそ大問題だ。
だけど、あたしに視線を向けた粟生の表情は、真剣そのものだった。
「…わかった。」
「へっ???」