itはヴァンパイア
「向こうにベルの部屋があると思う。服とかベッドもたぶんあるんじゃないか?」




俺はそれだけ言うと、窓に向かった。




ガチャガチャ!




よし、窓は開くな…!






「ルイチェル様、どちらへ?」


「どこでもいいだろ。」




そして俺は飛び立った。





"ルイチェル様"……。




昔は王子じゃなく、ルイチェルと呼んでもらいたかった。





でも今は、ベルにそう呼ばれると無性に腹が立ってくる。



なぜだ?





そんな事を考えながら人間界に降り立った。










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