傍ら
仕事だ…いつものように作業着に着替えてまた振り返る。

「やからはよ起きてって声かけてたやん。毎日ぎりぎりやねんで」

ぶつくさ言いながら弁当を持たせてくれる莉奈の姿が無い。

ベビーベッドから愛らしい、一日の原動力になる笑顔を見せてくれる癒愛の姿も無い。

まだ弁当の入っていない鞄を持って部屋を出た。

「いってら!!!」

莉奈の声が聞こえたようで振り返る。

だけど当然、誰もいない。
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