傍ら
「帰ってきてくれんのか!?」

聞かなければいい事を聞いた。

自分が傷付くだけなのに。

「たっちゃん、あたし帰る気あれへんで???確かに考えたで。やけどな、無理やわ。アンタとはやっていかれへん。」

言葉を無くした。

「離婚届はよ書いて。渡したい物あるし、書けたら持ってきてや。ほなね」

俺が喋る前に莉奈は電話を切っていった。

癒愛の泣き声が後ろで聞こえた。

遠い遠い所で、莉奈と癒愛が俺を見ていた。
< 9 / 28 >

この作品をシェア

pagetop