お兄ちゃんと秘密のキス
「おい。加藤。」
「ひっ」
屋良くんが急に私を呼ぶもんだから、変な声が出てしまう。
「なんか、ごめん。」
「はい?」
なんで急に謝るの…?
彼は頭をかきながら、
困った表情で言った。
「俺、さ。
無口だから、女子とどう接していいか分かんねぇんだ。だから…。」
そっか。
彼なりに、私に気を使ってくれていたんだね。
私は急に屋良くんが可愛く見えた。
男の子を可愛いと思うなんて、おかしいかもしれないけど。