お兄ちゃんと秘密のキス
頭をかき、俯く屋良くん。
私はそんな姿に笑ってしまった。
私の笑い声に気づき、彼が私をギロッと睨む。
「おい。何笑ってるんだよ……」
目付きは怖かったけど、
不思議と恐怖心はなかった。
「別にぃ!!!
なんか、屋良くんって可愛いなぁ…って思ったからさ!!」
「…は…?」
屋良くんの顔が急激に赤くなる。
やっぱ…
やっぱ可愛い!
半分興奮気味の私は、
調子にのって、彼の頭を撫でた。
「可愛い〜屋良くん〜」
普段はしない事。
でも、あの時は簡単にしてしまった。
屋良くんの髪が、私の手に触れ、くすぐったい。