お兄ちゃんと秘密のキス
俺が呆然としていたちょうどその時。
──ヴーヴー──
俺のケータイが震えた。
-受信 みゆき-
それは、女友達のみゆきだった。
なんて言っても、みゆきは明らかに俺に気があるみたいだが。
「今日、遊べない?…か。」
それは、俺へのデートの誘い。
昔の俺なら、興味のないやつとも、デートをしたり、いきなりホテルに行ったりしていた。
でも…
今の俺には
心から愛してると思えるひかるがいる。
俺は「ごめん。今日妹の文化祭なんだ。」と、
特に凝った嘘もつかず、
断りのメールを作成した。