お兄ちゃんと秘密のキス
泣きそうになった。
「おいっどうした!?」
「いや、なんでもないの…
気にしないで。」
「そっか。
あ、もうすぐ学校につくよ。」
「うん…」
私は彼に手をひかれて
学校の門をくぐる。
まわりから、
文化祭準備をする生徒の視線を受けながら。
私が怖がっているのに気付いてか、
屋良くんはやや小走り気味になり、私をひいていく。
こういうところも
屋良くんの良いところかもしれない。
でもね?
屋良くんがどんなにいい人でも、
私の中で
お兄ちゃんを越えることはないよ。