お兄ちゃんと秘密のキス
私の中の良心が
ズキズキと痛む。
だから、決心が変わらないうちに、
私は屋良くんを呼び止めた。
「屋良くん。」
「ん?」
「私、屋良くんに言いたいことがある。」
彼は少し驚いた顔をした。
「なに?
ここでできる話?」
彼は少し困った顔をする。
「ううん…
ちょっと無理かな…」
彼はクスッと笑う。
「そっか。
じゃあ、屋上行こう。」
そう言って私の手を再び握る彼の手は
すごく熱かった。
きっと彼なりに
何かを感じ取ったのだろう。