お兄ちゃんと秘密のキス
嵐の幕開け
秋というよりは冬の風が
私を凍えさせた。
あまりの寒さに私は自分の体をキュウっと抱く。
いよいよ冬がきた。
文化祭が終わって数週間、
10月から11月になった。
微妙な季節もようやく終わりそうだ。
でも、私は冬が嫌い。
寒さにはもっぱら弱いのだ。
マフラーにコート。
暖かい服に身を包み、
私は足早に学校へ向かった。
「おはよう、ひかる」
「あ、屋良くん!」
私はブンブンと手をふった。
彼はニコニコと手をふりかえしてくれた。