お兄ちゃんと秘密のキス
──パタン…
ドアを閉め、私は走った。
とにかくかなたの香りがするあの部屋の近くからは
逃げたかった。
でも、一人にもなりたかった。
ベッドにダイブを思いきりやってみた。
いつもはあまりしないけど
なんだか解放的な気持ちになった。
真っ白な天井を見上げ
私はかなたの言葉を思い出していた。
かなたは住所を親にも知らせないのだろうか。
そんな事って許されるのだろうか、
とか。
考え出したら止まんなくなった。