お兄ちゃんと秘密のキス


私も何だか不安になってしまって、


ドアの向こうにむかって、


トントン



と、ノックしてみる。





「大丈夫。ちゃんとここにいるから。」



低い声が間近に聞こえて

ひと安心。



私って子供みたい。






「でもさ、俺何にもいえねぇや、なんか。」



「どうして?」




私の声が少し震えた。




「どうしてだろうな。

何言おうかな、とか

昨日ずっと考えてた。

お前に言いたいのは

カッコ悪いけど、一つだけ。」









< 366 / 409 >

この作品をシェア

pagetop