お兄ちゃんと秘密のキス
私も何だか不安になってしまって、
ドアの向こうにむかって、
トントン
と、ノックしてみる。
「大丈夫。ちゃんとここにいるから。」
低い声が間近に聞こえて
ひと安心。
私って子供みたい。
「でもさ、俺何にもいえねぇや、なんか。」
「どうして?」
私の声が少し震えた。
「どうしてだろうな。
何言おうかな、とか
昨日ずっと考えてた。
お前に言いたいのは
カッコ悪いけど、一つだけ。」