消えちゃえっ!
第一章 いや、別にどうでもいいんですが、本当
「此処は、学校だよね?」
「……」
 どうしよう、口を聞いてくれない。
 むすっとした表情のまま、黒髪少女はじっと黒板を見つめている。
 俺にいったい何を求めているのですか、お姉さん。
「み……皆はどこに言ったの?」
 わざとらしく出した声が、何故かエコーがかかって帰ってきて死にたくなった。なんでこんな気持ちが悪い声に自分は生まれついてしまったのか?
 答えは簡単。父さんが俺とそっくりの声だからだ。嫌な血縁関係だなぁ。
「いや、消えましたから」
 乙女が突然口を開いた。
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