消えちゃえっ!
「んー、どういうこと?」
 消えちゃった発言よりも、この子口が聞けるんだ的な驚きの方が大きかった。
 大体乙女なんてクラスの野郎どもが言い出したのは、この子が誰とも口も聞かずに休み時間はじっと本を読んでいて、その様子がやたらと可愛くみえたらしいからである。
 それが喋って居る。ともすればこれからなんと呼べばいいというのだ!
 なんて阿呆らしい心配をしている間に彼女はガタンと音を立てて椅子からたちあがった。
 そういえば俺も椅子に座っている。いつからこんな椅子に座っていたのだろう。
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