好きだから、思うこと。~連鎖する恋たち~
胸の中の『あれ』
「ううっ…、寒…。風邪引いた…?」
放課後、私は一人で教室で居残りをさせられていた。
先生が言うに『視界に入ったから!』だそうで…。
なんで私!?
私しか視界に入んないわけ!?
…しかもなにこのプリントの山は!
このプリントの山を三枚ずつ、ホッチキスで留めろって無茶ぶりだよーっ。
「死ぬ…。今すぐ死ぬ…」
私の一生分の集中力なくす気!?
ただでさえ、今なんか寒いのにぃ…。
雨に打たれたからかな?
…マジで先生のクソヤロー!!
「口には出さないけどね…」
誰かに聞かれたら、先生に殺される…。
「…ちょっといい?結斗…」
ん?
んん?
誰か廊下にいる…?女子の声が聞こえる。
『結斗』…?
「わりぃけど、無理」
結斗の声だ!
なになに!?告白っすか!?
そ~、と物音をたてないように席から立ち上がり、ドアから顔を出した。
そこには、結斗と女子がいた。
「少しでいいの…。ダメ…?」
「ダメ。無理」
ごらぁぁぁぁぁあああ!結斗ーっ!!
なにあの言い方。
女子が可哀想じゃん…。
「…っ」
ほら、今にも泣きそうな顔してるし…。
「…き…の」
「は?」
「結斗、が…。好き、なの…」