好きだから、思うこと。~連鎖する恋たち~
これは、怒ってるの…?
それとも、悲しんでるの…?
「はぁ…芙美には呆れたよ」
「もとから呆れてるくせに」
「バレてた?」
私も、茉央に呆れたよ…。
もとから呆れてるとか、ないわー。
「お、太田さん…」
「ん?」
斜め後ろから私の名字を呼ぶ男子の声が聞こえた。
「え、と。よ、よろしく…ね?」
「え?なんで?」
「……えぇ…と…」
「うん?」
「…じゃっ、じゃあ…」
男子は逃げるように走り去っていった。
…なにアイツ。
「……………芙美バカ」
「……………は?」
「……………鈍感」
「……………なにが」
「芙美バカァ~!!男子がかわいそうではないかぁ~!」
「だからなにがだぁぁぁあ」
なに!?意味わかんないんだけど。
なんでそんなに茉央が怒るの!?
私はただ、知りもしない男子に『よろしく』って言われたから『なんで?』って、素直な気持ちを言っただけなのに。
「芙美の鈍感っぷりは相変わらずか」
待たしても斜め後ろから聞こえてきた男子の声。
「結斗…」
「男子がかわいそうだな、あの芙美の対応じゃ」
「高島くん。そうだよね、かわいそうだよね~」
「ねぇ、なんの話?」
「「…………鈍感」」