好きだから、思うこと。~連鎖する恋たち~
高島結斗。
小学校六年間同じクラスだった唯一の人。
結斗は結構女子にモテる。
それは本人も自覚済み。
まぁ、かっこいいほうらしいけど…望月くんには、負けるな。
運動神経いいし、頭もいいし、フレンドリーだからモテるんでしょう?
…いかにも、パーフェクト男子ってやつ。
私と真逆。
自分から知らない人に話しかけるとか、ムリに決まってるじゃん。
「てゆうか、また同じクラスだな。七連続」
「もう、いいんだけど」
「なんかひどくない?俺は嬉しいんだけど」
「あっそう…」
『嬉しいんだけど』って、おかしいんじゃない?
私といて、楽しいかな?
男子と話すの苦手で、いかにも女子~!って感じじゃないのに…。
「とか言いつつ、芙美って高島くんと話すときだけ楽しそうだよねぇ~」
「はっ!?」
「え?マジ?芙美も俺に惚れてやんの?」
「んなわけないでしょーが!」
惚れてない!結斗に限ってそれはない!
まったく…茉央はなんでそんなこと言うかなぁ。
「ちょっと茉央…誤解を生むようなこと言わないでくんない?」
茉央の服を引っ張り、耳元で呟いた。
「誤解生むつもりはなかったんだけどね」
「………生んでるし」
二人でコソコソしてたことが悲しかったのか、結斗が口を膨らませた。
「なぁ、なんの話?二人話しな―」
「結斗ーっ!!こっちで話そーよ!」
少し離れたところにいた女子グループから結斗が呼ばれた。
「え?あ、今、こっちで話してるから」
「えー?太田さんと樋口さんと話してて楽しい?」