好きだから、思うこと。~連鎖する恋たち~
「ああああぁぁぁぁぁぁぁあああ~!!」
おもいっきり叫んだ。
「は、はぁ…。うぅ~…」
そして、疲れきった。
「まったく、なんなの!?結斗は!意味分かんない~!」
―ドンッ、と、一本の太い木をグーで叩いた。
とっとと、あっち行けばいいのに。
…バカみたい。
「…雨の音にかき消された、私の本音。聞いて欲しい、雨に、負けないで―…」
小さな声で歌う。
私が作った歌。
恋とかしたことないけど、恋する気持ちなら、なんとなく分かる。
「君は、恋したこと、ある?」
木に問いかける。
「ドキドキして、キュンキュンしたこと、ある?」
…返事来るかッつーの。
木って恋とか、する…かな?
「するよね、生きてるもんね」
私って恋愛については木に負けてる?
負けてるよね…。
こんなんだもん。
こんなに、大きくなるまで何十年かかったんだろう。
…生命力すご。
やっぱり、雨があるから?雨が降るから?
雨、嫌いだけど、いいことあるんだよね。
「雨、すごーい!!」
―ポツ、ポツ。
「…えっ?」
頭に何かが落ちてきた感覚がした。
そっと、触ってみると水だった。
「あ、あ、雨…!?」
―ポツ、ポツ、ポツ、ポツ、ポツ。
「ぎゃ、ぎゃぁぁぁああ~!雨だぁぁぁああ!!」
やっぱり、雨は嫌いだぁぁあ!
なくなっちゃえーっ!!