【童話】雨に恋して
こんばんは。
れいくんいますか?


木でできた玄関の前で聞いた。
けれど、だれも出てこなくて、わたしはまた、今度は大きな声で言ってみた。

こんばんは。
れいくんいますか?


すると、灰色のスーツをきたおじさんが出た。
どうしたんだ?

れいくんに学校からプリントをあずかってきました。

おじさんはわたしを家の中にあげた。
そうしてから、ぼうはこっちですよ、といった。

なんのことかわからなかったけど、とりあえずついていった。


広い、畳のお部屋に入ると、おじさんはまっててくれとわたしに言って、どこかへいった。

5分くらいすると、れいくんが長袖のシャツをきてやってきた。

わたしはれいくんにプリントをわたした。
ママをまたせているから、はやく帰らなくちゃと思った。

プリントを受けとったれいくんは、優しく、ありがとう、といった。
しのちゃん、やさしいねとも言ってくれた。


れいくんは、わたしが玄関をでるときもついてきてくれた。
そして門を出るときには、あしたから学校行けるから、心配しないで。
そう、見送ってくれた。

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