【童話】雨に恋して
どこまでかわからんけど、おくるよ、おれ。

わたしはびっくりして断ったけど、かみなりが鳴ったときしゃがみこんだ。

かみなりこわいなら、おれ一緒にいてあげるから。
きのうのプリントのおれいだから。


そういってれいくんはわたしの手を握った。


どこまで?と訊かれたから、わたしは校門をゆびさした。


あそこまで。


れいくんは、にっこり笑ってくれた。


れいくんは、かみなりコワくない?


かみなりより、うちの父ちゃんの方がコワい。


ふたりで笑った。
そうしてるうちに、もう校門のまえでさみしくなった。

ママももうきてる。


れいくんありがとう!

わたしがお礼をいうと、れいくんは、またね、と返した。

わたしは寂しくなって、ママにたのんだ。


れいくんのおうちまでれいくん送ってあげようよ!

ママはちょっと考えたけど、すぐに、いいわよ、といった。


れいくん、おうちまで送るよ!

わたしがいうと、れいくんは、歩いて帰るよといった。


わたしはぬれてもいいや、とおもって車からおりた。
れいくんはわたしにすぐカサをさしてくれた。

わたしはれいくんの手をにぎって、さっきのおれい!といった。

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