恋する任務は美しい〜メガネ上司の狼さんと訳あり隠密行動〜
目をつぶっても目が冴えてしまって結局朝が来てしまった。
支度をすませて『カントク』へと向かう。
作業班は何事もなくわたしに朝の挨拶をかわしてくれる。
この人たちがこの会社を支えているのに、もし消えることになったとしたらわたしの失態だ。
特別班の部屋のドアを開けると、手前の棚にはクリーム色のツーピースを着こなしているあおいさんが立っていた。
わたしの顔をみるやいなや、わたしのもとへと駆け寄った。
「萌香さん、お話は大上部長から聞きました。罪深き人にはなってほしくないわ」
「あおいさん……、わたしのせいで」
「大丈夫。大上部長がついていますわ」
あおいさんは、にっこりと微笑んでくれる。
「ヤワなやつじゃないよ、あおいは」
と奥でふんぞりかえって座っている大上部長が声をかけてきた。
「まあ、ひどいわね。わたくしだってこうみえて繊細ですのよ」
「あおいを怒らせるほうが怖いか」
と、そういうと大上部長とあおいさんは一緒になって笑っていた。
重い足取りで棚に向かい、ダンボールをとってパソコンを立ち上げる。
昨日よりも若干伝票が減っていた。
「俺たちが作業して椎名が次の日、仕事ができる分だけ残しておいた。ありがたく思えよ」
と、大上部長の後ろで立っていた戸塚さんが鼻の頭をかきながら話してくれた。
「全部やるなと大上部長の命令でね」
と、鈴井さんが満足そうな笑顔をみせながら補足した。
「……ありがとうございます」
「さあ、仕事を始めるぞ」
大上部長の号令で皆姿勢を正す。
わたしも昨日の仕事の続きをはじめた。
支度をすませて『カントク』へと向かう。
作業班は何事もなくわたしに朝の挨拶をかわしてくれる。
この人たちがこの会社を支えているのに、もし消えることになったとしたらわたしの失態だ。
特別班の部屋のドアを開けると、手前の棚にはクリーム色のツーピースを着こなしているあおいさんが立っていた。
わたしの顔をみるやいなや、わたしのもとへと駆け寄った。
「萌香さん、お話は大上部長から聞きました。罪深き人にはなってほしくないわ」
「あおいさん……、わたしのせいで」
「大丈夫。大上部長がついていますわ」
あおいさんは、にっこりと微笑んでくれる。
「ヤワなやつじゃないよ、あおいは」
と奥でふんぞりかえって座っている大上部長が声をかけてきた。
「まあ、ひどいわね。わたくしだってこうみえて繊細ですのよ」
「あおいを怒らせるほうが怖いか」
と、そういうと大上部長とあおいさんは一緒になって笑っていた。
重い足取りで棚に向かい、ダンボールをとってパソコンを立ち上げる。
昨日よりも若干伝票が減っていた。
「俺たちが作業して椎名が次の日、仕事ができる分だけ残しておいた。ありがたく思えよ」
と、大上部長の後ろで立っていた戸塚さんが鼻の頭をかきながら話してくれた。
「全部やるなと大上部長の命令でね」
と、鈴井さんが満足そうな笑顔をみせながら補足した。
「……ありがとうございます」
「さあ、仕事を始めるぞ」
大上部長の号令で皆姿勢を正す。
わたしも昨日の仕事の続きをはじめた。