【短ホラー】そのページのむこう
ヨミチ
静まりかえる細い路地に、青白い街灯の光がフィルターのように張り巡らされる。


“私”はその中を足早に歩いていた。


ほんの数十メートル先の大通りで時折する車のエンジン音が、彼女を安心させた。



彼女の住む県では最近、無差別の殺人事件が多発していた。

それが先月、隣町でも起こったというのだ。


それ以来夜道を歩くのは避けていたのに、今日はどうしても抜けられない付き合いがあってこんな時間に帰ることになってしまった。
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