【短ホラー】そのページのむこう
ペタペタと、彼女を追う足音が徐々に速くなってくる。


(何?やだ!!)

恐怖で振り返ることも立ち止まることもできず、彼女はひたすら先を急いだ。


追い討ちをかけるように冷たい夜の風がむき出しのふくらはぎを触る。



ペタペタペタ……

いくら早く歩いても足音は大きくなって彼女を追った。


彼女の頭の中には、先月ニュースで見たブルーシートで覆われた住宅地の一角の映像が浮かんでいた。



ヒタ……

その時、真っ黒な冷たい手が肩に乗った。



彼女の額から一筋の汗が流れ落ちた。
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