クラリネット吹きはキスが上手いのかという問題について
それでも私が頑なに口を開かずにいると、二の腕をつかんでいた手が上に移動し、直接素肌がのぞくうなじを撫でられた。
同時にもう一方の手で頬を包まれ、指で耳をなぞられた。
そして極めつけは、強引に舌が唇を割ってきて、歯茎を舐められた。


……っっ‼︎‼︎


いろんなところから一挙に快感が押し寄せ、全身の力が抜けた。

もちろん、顎の力も。

その隙をつかれ、口内に柔らかくて熱い舌が入ってきた。


な!
なんちゅー技を使うんだこの子!

しかも!
ちょ、ちょーっと待ちなさい!

何て絡ませ方すんのよ!
何て吸い方すんのよ!
何て音たてんのよ!
しかも絶妙な力加減で唇や舌に歯を立てるとか!

やばっ、あまりに気持ちよくて、腰が砕けそうだ。


わっ、上顎、そこ、だめっ。こらっ‼︎


やばいやばいやばい。想定外。
やられる!


くそー、お姉さんをなめるなよ!
だてに隠れ肉食系やっとらんわ!


あたしは彼の首に腕を回した。
髪に手を這わせつつ、キスに応える。

彼は少し驚いたような反応をした。

薄目を開けると、目が合った。

色っぽい眼差しがあたしをとらえる。

理性が吹っ飛んだのはお互い同じだと分かった。

それを合図に、激しさが増したから。

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