復讐の女神
「あー待ってくださーい!七瀬さーん!」

ゆりが振り向くと人が大勢いるエントランスで
星めぐみは大声でゆりを呼び止めた。

「待ってください、七瀬さん!一緒に帰りましょう!」

そう言われて仕方なくゆりは彼女が到着するのを待った。

「七瀬さん、仕事どうでした?」
ゆりの前に到着すると呼吸を整えながら星は聞いてきた。

「うん、良い人たちばかりなので楽しく仕事が出来そうだと思いました」

「あ、私も同感です!ってか、私の方が年下ですし敬語使わなくても大丈夫ですよ!」

一柳にも同じことを言われたことをふと思い出したがその事には触れず
「うん、わかった。ありがとう」とゆりは応えた。

二人は歩きながら駅へと向かった。
道中でも道行く人の視線が二人に集まった。

星めぐみもゆりに劣らずモデルのような人目を惹く可愛い顔をしていたため
二人が一緒に歩いていると絵になるくらい美しくて目立つのだった。

星めぐみの魅力は何と言っても若さと可愛さ。
茶髪、ネイルにおフェロメイク、オン眉、オシャレなコーデ。
まるで雑誌に載ってるモデルのようだった。

「あー実は私、読モやってるんですよー!」

ゆりがお世辞を言うと嬉しそうに星はそう応えた。

ゆりは、人と関わるのがさほど好きではなかった。
特にこのような子は苦手だった。

ゆりは、心の中で早く駅に着けば良いのにと思っていた。
なるべく時間をずらして帰ろうとも思うのだった。

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