復讐の女神
「え！？」

涼は驚いて思わずゆりを振り返った。

「バレたらマズイんでしょ？一緒に逃げよう！」

「え？だって、ゆりまでここを出たら親が心配するよ」

「いいの！ゆりは、涼くんと一緒にいたい！」

ゆりの真剣さに圧倒され、涼は少し困った顔をしたが
ゆりが涼の手を握り、玄関まで連れて行くと
「ね！二人なら怖くないよ」と言って涼を元気付けた。
涼は一人じゃない、ゆりがついてるってことを
彼に分かって欲しかったのだ。

涼は、そんなゆりの思いに応えるようにうなづくと
二人は手を繋いで家を後にした。
そして二人は森深くへと足を運んだのだった。

その数時間後、片山親子は田舎にある別荘を訪れた。
別荘に弘樹を留守番させると、片山父は部下を連れて車で
別の場所に向かおうとしていた。

弘樹は父を引き止めるように言った。

「僕もお兄ちゃん探しに行くよ！」

「お前は来なくていい。別荘で大人しく待ってろ」
そう言うと部下と一緒に出かけて行った。

弘樹は父親から家出した涼を探しに行くと聞かされていた。
不安が残る中、弘樹は仕方なく別荘に戻り、兄の無事を願った。

車の中では調べを進めていた部下が片山父に報告していた。
「どうやら数時間前にこの辺で女の子が行方不明になったそうです。
警察にいる知り合いから聞きました」

「男の子じゃなくて女の子か・・・。
涼が見つかった話は出たか？」

「いや、まだです。早く見つかると良いですね・・・。」


「・・・・・」

するとある森の入り口に車を止めた。

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