復讐の女神
休憩から戻ると一柳に突然声をかけられた。

「ねぇ、七瀬さんって今週の金曜日空いてますか?」

「今週?は、多分大丈夫だと思うけど・・・。何かあったの?」

「実は、星さんと七瀬さんの歓迎会をやろうと思って!」

「えーー!いいよ、私派遣だし!」

「何を言ってるんですか!派遣だって仲間ですよ、仲間!
ねー太田?」と近くにいた太田に話を振ると
「もちろん!大切な仲間っす!」とゆりにガッツポーズをした。

「それに星さんも行く気満々なんですから
七瀬さんも絶対来てくださいよー」

そう言って楽しそうに一柳は片山課長に報告しに行った。

飲み会かぁ、出来るなら避けたかったとゆりは内心思った。
ゆりは決して社交的ではないため、飲み会が苦手なのだった。

ゆりが困った顔で席に着くとそれに気づいた石井が
「まぁまぁ。何かあったら俺がフォローしますんで
あんま気落ちしないでください」と彼女を気遣った。

「ありがとう」

そう苦し紛れに応えたけど、こういうタイプの男性が
飲み会ではしゃぐのは目に見えていて
ノリについていけなくだろうなとゆりは逆に不安に思った。
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