復讐の女神
期待を膨らます周りの目。

今回、石田をリーダーとしたチームと山田をリーダーとしたチームに
一人ずつ派遣のアシスタントを入れる予定でいるため
出来る限り若くて可愛い子を入れたいと思っている男性陣が多かった。
女性陣がそのやましい考えを持つ男性陣に冷ややかな視線を送る中、
片山課長は一呼吸置いてからみんなの前で言った。

「1人は23歳の女性、そしてもう一人は36歳の女性だ。
23歳の星めぐみさんは山田のチームに、もう一人の36歳の七瀬ゆりさんは
石田のチームに入れることになったからよろしく頼む」

その瞬間、両チームの反応に差異が生じた。

若い女性が入ると言われたチームは山田を筆頭に大喜びだった。
それに対し36歳の女性と言われたチームは石田を筆頭に愕然としていた。

「おばさんじゃねーか」
石田はそう呟いた。
周りの意見も一致していた。
「お局とかだったら超やだー!」と同じチームの女性陣も不満を露わにした。

片山課長はフォローするように
「写真で見る限りだと可愛かったぞ」と言ったが
「勘弁してくださいよ。いくら可愛くても36歳はおばさんっすよ。
なんで俺たちの方にピチピチの女の子をよこしてくれなかったんすかー!」と
片山課長に憎まれ口を叩いた。

「それ、本人の前で言うなよ。
二人は午後からの出勤になっているから到着次第、紹介する」
そう言って片山課長はその場を後にした。

残った社員はそれぞれ思うことはあっただろうが
とりあえず席に戻り、仕事を再開した。
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