復讐の女神
すると突然、

「七瀬さーん、楽しんでますかー!?」と声が裏返りながら
石井は叫ぶとゆりの隣に腰掛けた。

ゆりが驚いて石井の方を向くと
彼は顔を真っ赤にして目も虚ろ状態で上体も
ふらふらしており危なっかしいさがあった。

「も、もしかして酔ってます?」

「酔ってまへんよー」

「どのくらい飲んだんですか?」

「焼酎を3杯ー」

「えぇ!?」

ゆりは、この状態をどうにかしようと思い
「あの、お冷持って来ます」と言って立ち上がろうとした
その瞬間だった。

「待って!」

そう言って石井はゆりの右手を掴んで
「ここにいてください」と言って
真剣な顔でゆりの方を見上げた。

ゆりは、掴まれた手をどうすることも出来ず
またその場に座った。

だけど石井は右手を離そうとしなかった。
ゆりは、緊張のあまり石井の方を見れず黙り込んで俯いた。

「七瀬さん、手小さい。めっちゃスベスベしてるし、
可愛い手っすね」

「あ、ありがとうございます。」

すると石井はゆりの顔を見つめた。

「七瀬さん、こっち向いてくださいよ」
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