復讐の女神
歓迎会が終わり、ゆりは帰り仕度を始め
席を立った。

その時、出口付近に森村と片山課長が立っているのを
ゆりは見つけた。

森村は大分酔っていてめまいを起こしたようにふらふらしていた。
「大丈夫ですか?」
片山課長が心配そうに声をかけたその時
彼は背後にゆりが立っているのに気づいた。

ゆりは、先ほどのお礼をしようと一歩近づいたその時だった。
片山課長は森村の左肩を持ち抱き寄せると
「タクシーで送りますよ」そう言って
二人で店を出てしまった。

お礼をするタイミングを失い、ゆりは呆然としていた。
すると今度は「七瀬さんも行きましょうよ!」と元気な声がしたかと思うと
山田がいきなりゆりの肩に手を置いて抱き寄せた。

「えぇ!」

「これから若者同士で二次会カラオケっすよ!行きましょう!」

「い、行かないですよ!それに、私若くないし・・・」

「なに言ってるんですか!行きましょー!」と山田に強引に連れられ
ゆりはこの後二次会のカラオケへと足を運ぶこととなった。
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