復讐の女神
ゆりが歌い終えると、拍手が起き
男性陣は「おぉー」と歓声を上げた。

星も「七瀬さん歌声めっちゃ綺麗でしたー」と大絶賛した。

ゆりはマイクを山田に返すと安堵のため息をついた。

「お疲れ」

石井にそう言われてゆりは笑顔で「ありがとうございます」と応えた。

今度は山田が歌い始めた。

「女々しくて女々しく・・・」のフレーズで
みんなも一緒になって踊り歌って騒いだ。

ゆりも拍手を送って笑っていると
隣から「それより片山課長がどうかしたんですか?」と声がして
ゆりは驚いて石井の方を見た。

「え?」

「さっき言ってたじゃないですか。片山課長のこと」

「あぁ、あれですね」

ゆりは、周りを確認すると石井の方に近づき耳打ちをする体勢をとった。

石井は驚き慌ててタバコの火を灰皿で消し落とすと
ゆりの方に耳を近づけた。

「片山課長と森村さんって本当に愛し合ってるんですか?」

「え?」

石井は驚いてゆりの顔を見た。
ゆりは気にすることなく石井を見上げた。

「どういう意味っすか、それ」

あまりにもプライベートなことにゆりが首を突っ込むため
石井は驚きを隠せなかった。

ゆりは、ふぅと一呼吸を置くと思ったことを話し始めた。


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