復讐の女神
「片山課長が想像するようなことは何もありませんでしたよ。
石井さんは酒に酔ってすぐ寝てしまったし、次の日は二日酔いで動くのも辛そうでした。
なので、変な誤解しないでください」

そう一気に言うとゆりはカフェラテを啜った。

「あんまり、石井を信用するなよ」

「え？」

「たまたまあいつの調子が悪かっただけで凌げたが
今度は気をつけた方が良い。」

ゆりはびっくりしたように片山課長を睨んだ。

「どうしてですか？さっき石井さんを褒めてたじゃないですか！」

「あれは、仕事でだろ。プライベートは別だ。
仕事で理性は保てても恋愛は感情的だからな。
特にお気に入りの子の前であいつは冷静になれない、それくらい七瀬さんも分かっているだろ」

何もかも見透かしたような態度で言われてゆりはカッとなり顔が熱くなった。

「心配は無用です！さっきからなんなんですか！
私よりもご自分の心配された方が良いんじゃないですか！」

「なんのことだ？」

「私よりも森村さんのこと気にしてくださいよ！では失礼します」

そう言ってゆりは飲み干したカフェラテをゴミ箱に捨てると
そそくさとその場を後にした。
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