復讐の女神
「森村さんとの婚約を破棄したいんだ」

「は!?何を言ってるんだ、お前は」

「正直言って、俺は森村さんを愛していない」

「何をたわけたことを・・・」

馬鹿らしいと片山課長の父は笑うと
片山課長は真剣な顔をして彼の父親に言った。

「そもそも、この婚約はあなたが勝手に決めたことでしょう。
俺は賛成していなかった」

「何が不満なんだ。頭も良い、気立ても良い、しかも真面目で美しい。
まさに才色兼備!しかも名家の令嬢じゃないか」

「父さんは森村財閥の財産目的だろ。
これじゃまるで政略結婚じゃないか」

「いいか、弘樹。うちの財務はあまり芳しくないんだ。
森村財閥の支援があってうちは賄ってる。
その恩義を果たせ」

「父さん!」

「いいか。決して森村令嬢に失礼な態度を取るな。
そんなことしたら私の会社がどうなるか分からん。
お前も働けなくなるんだぞ、それで良いのか。」

「だったら転職すればいい」

「父を見捨てるのか!!」

片山課長の父の怒鳴り声に周りが一斉に二人の方を向いた。

片山課長の父は咳払いをすると声を落として話をし始めた。

「会社の存続はお前に掛かってるんだ。
いい加減、親孝行をしたらどうだ。」

「父さん、俺の人生だ。俺で決めたい」
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