復讐の女神
「カレーは私の得意料理なの！だからまかせて！
冷蔵庫の中に麦茶が入ってるから待ってる間、
コップに入れて飲んでて良いから！」

ゆりは手を洗うと早速料理の準備に取り掛かった。
涼はコップを戸棚から出し、麦茶を注ぐと
そのまま一気に麦茶を読み干した。

ゆりは彼を横目で見ながら、
喉も渇いていたんだと内心驚いた。

料理が出来上がり、皿に盛り付けると
ゆりはテーブルまで運んだ。

「はい、どーぞ」と言ってゆりがスプーンを渡すと
涼は「いただきます」と言って一気にカレーを頬張った。

その姿にゆりは驚きを隠せなかった。

「一体どうしてそんなにお腹がすいてるの？」

「昨日から食べてないんだ」

「昨日から？なんで？」

涼は一気にカレーを食べ終えると
「ごちそうさま」と言ってスプーンを置いた。

「お、おかわりあるけど・・・」

「食べる！」

と間髪入れずに返事して、また涼はまたカレーを頬張った。

涼はカレーを食べながら気まずそうに質問に応えた。

「昨日からこの町に取り残されたんだ。」

「なんで？」

「弟に悪さをしたから」

「弟がいるの？」

「うん、弘樹って言うんだ」

「あなたは？」

「僕は涼。片山涼」

「涼くんかぁ。私は、ゆり。七瀬ゆり」

「ゆり・・・か。」

そうつぶやいてまた涼は一気にカレーを食べ終えた。
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