復讐の女神
「じゃぁ、ずっとここにいてよ！」

「え？」

「今ね、うちの親、この山の麓にあるおばあちゃん家に行ってるの！
私、果物を取ってくるのを頼まれて家に戻って来たんだけど。
親が向こうにいるまで、ずっと一緒にいようよ！」

「でも、ゆりが戻らなかったら親は心配するんじゃ・・・」

「大丈夫よ！時々行って1人でお留守番出来るって言うから！」

「すごいね！じゃぁ、僕ずっとここにいて良いの？」

「うん！もちろん！」

「やったー！！」

そして涼は笑顔になった。初めての笑顔だった。
ゆりはこの時子供ながら嬉しくなった。
ゆりは気づいていなかったが少なからず彼に興味を持ち始めていた。


そうして2人だけの秘密の生活が始まったのだった。
まだ幼い2人はこの後、ゆりの人生を変えるような悲劇が
待ち受けているとはつゆほども思わなかっただろう。

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