復讐の女神
「弘樹がテストで90点取れたのも僕が教えたからなんだよ!
弘樹も僕の教えが上手いから良い点取れたと喜んでくれたんだ!」

「そうなんだね!すごいね!涼くん!」

ゆりも嬉しくなって涙を流すのを止めた。

「僕ね、大きくなったら学校の先生になりたいな。
もちろん、良い点数を取ることも大事だけど
勉強嫌いな子が勉強を好きになってくれるように
僕が勉強の楽しさをみんなに伝えたいんだ」

ゆりはその言葉に心を打たれた。
将来の夢を持ってること、
人のために役立ちたいということ、
まだ小学生なのにしっかりしてて、
ゆりは心から涼に惹かれた。

「きっとなれるよ!涼くんは優しいから。
きっと良い先生になれる!」と笑顔で言うと
心から彼を応援した。

「そしたら私をお嫁さんにしてね」

「えーーー!!」

突然の告白に涼は驚いたが
でも嬉しくなると
「そうだね!僕が先生になったら結婚しよう」と言って
笑顔になった。

ゆりも嬉しくなって笑うと
「じゃぁ、約束ね!」と言って小指を出してきた。

「指切りげんまん!」

涼も「おっ!」と言うと小指を出し、
二人で指切りげんまんをした。

「指切りげんまん、嘘ついたら針千本飲ーます。
指切った!」



儚き幼い頃の思い出から現実世界に戻ると
ゆりは1人心の中で問うた。


ねぇ、誰が嘘ついたんだろうか。
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