いんぐりっしゅ・てぃーちゃー♂先生は幼馴染み♀
ケイ兄の顔が見えなくなったのは涙のせいではなく、私がうつむいたから。

他の友達は私が泣いているのに気付かないのか、バレンタインの話題で盛り上がっている。

それでも彩夏ちゃんは異変に気付いてくれて、

「あっ!そろそろ戻らないと。お昼休み終わっちゃう(汗)柏木先生!それじゃ~☆」

そう言いながら私の背中を押し、私を先頭に歩かせてくれた。
後ろ姿なら泣き顔を見られないだろうという、彩夏ちゃんの配慮に本当に感謝。

職員室を出ると

「愛ちゃん!トイレ付き合って!!私、漏れそう(笑)」

そう言ってグイッと引っ張ってくれた。

そしてトイレに入った瞬間・・・


『彩夏ちゃん・・・ありが・・・と・・・ふぐぅ・・・うううぅ』

「愛ちゃん・・・」

堪え切れずに涙を流し続ける私の背中を、優しく撫でながら

「愛ちゃん。まだ・・・好きなんでしょ?」

そう聞かれてちょっと考えた後に、

『・・・うん』

そう言って頷いた。


もうケイ兄の事なんか考えない!!と思っていたけど。

考えないと思っている時点で”考えちゃってる”


まだ、気持ちが全然消えていない事を思い知らされた。


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