彼の情事と私の事情
保健室でやられちゃいます!?
…そう…
水色の世界。


次。気が付いたとき私はオレンジの世界の中にいた。

眩しい…。

あぁ…どうせなら、あの童話の中にいたかったなぁ…
そう。どうせなら、王子様のキスで目覚めたかった…



さっきの二人みたいな…


ぼんやりと人影が認識出来る…
王子様?まさかね…

なぁ~んだ…さっきの男だ……


「!?」

急に意識が覚醒する。と同時に後頭部が痛む。

「っぅ…」

頭を抱える私。ここは?…保健室みたいだ。

「大丈夫?」

男が私の顔を覗き込む。

この人…さっきは気付かなかったけど…綺麗な顔してる…

細く軟らかそうな薄茶色の髪は無造作に流れ。ガラス玉のように綺麗な目が涼しげ。鼻はスッと高く。唇は…


思いだし火のように火照った私の顔をみて。
「その顔。そそるんだよねぇ…」

男がベットに体重をかける。

「はぁ!?」

慌てて私は身を起こす。

「ね?さっき僕がしてたこと…しない?」

男が屈託の無い笑顔で近付いてくる。

「じ…冗談…」

顔が近い~!



寸前!私の手が男と私の間を割って入る…と同時に保健室の扉が開く。


「残念。時間切れ。続きは今度ね赤ずきんちゃん♪」

私の手をかわして首筋までたどり着いた男が囁いた…



な…
何なの~この人??


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