寄っていきませんか。
あぁ、泣きそうだ。私のバカ。
ここで泣いたらきっとこの二人は心配してくれる。
私はあわよくば二人の間に入ろうかと思ってるのに。
「瑞季ちゃーん」
そんな声と共にタオルが私に被せられた。
『っ柳瀬』
私を呼ぶ声は軽いのに、安心する声のコイツは柳瀬 瞬で湊との友達のお節介な人。
「瑞季ちゃん汗で化粧落ちてるよー?」
だから早く直しておいでーとにこにこ言ってるけど、多分私がこの空間から抜け出しやすいようにしてくれてるんだと思う。
『何?遠回しに私のスッピンが見れた顔じゃないって?』
ほんと、お節介なやつ。まぁ甘えさせて貰うけど。
「んー瑞季ちゃんはスッピンでも可愛いよ?」
口にもないような事を誰にでも言ってて、なんか、むかつく奴。
『へいへい。じゃあ柳瀬が喜ぶようにもっと可愛くしてきますよーっと』
メークポーチを持って立ち上がる。
あぁ、今日は自己嫌悪ばっかりだな。