ラブ*ゲーム
……あれからまだゲームは続いている。
今はテレビの前でコントローラーを握りしめながら変な声を上げているあいつと。
私の負けのはずだったのに。
これからもこのゲームは終わることなくずっと続いていく。
このゲームが始まらなければきっと今の私達はヒーローとヒロインになれなかった。
そこまであいつが考えて始めたゲームだったら、未来予知の魔法が使えたのだろうか。
『ねえ』
『あっ畜生!アイテム取られたっ!』
『……はあ』
こんなに好きなんだから。
私以外のものに夢中にならないでよ……
『――俺も好きだから安心しろ』
『えっ!?』
『っしゃあ!!レベルアップ!!!』
ガッツポーズを決めて私に向って飛びっきりの笑顔を見せたあいつと、これからもこのゲームは続いていく。