ラブ*ゲーム


『鈍感なお前にどうせ俺の気持ちなんか分からないだろ。こんなに示してたって伝わんなかったんだから』


『でっでも……私があんたのこと好きなんて気持ちがあるなんて分かるわけ――』


『最初にゲームの事話して少し動揺して勘づいた。バレてないとでも思ってたわけ?後言っておくけど、さっきの奴俺の妹だから安心しな』



ゲームが始まる前と同じく勝ち誇った笑みを私に向けた。


ずるいよ馬鹿。


最初から全部分かってたんだ。



『負けたら何するか分かってるよな?』


『う、うん』


『俺と付き合って。明日の予定は俺が上書きしたから。だから俺の横にいて』


『……負けたからしょうがないか~』


『うわ、何それ』


『てっきり私の方がレベル上がってたと思ったのに』


『さあ?どうだか』



私の涙をそっと拭うと耳元に顔を近づけて来た。



『俺もお前が好きだよ』



ボッと顔が赤くなった私を見てケラケラと笑う。


そして私のスマホを取り出し、かっこいい彼に、



【ゲームオーバーしました。明日行けません】



と勝手に打ち込んだ。







< 9 / 11 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop