ラブ*ゲーム
『鈍感なお前にどうせ俺の気持ちなんか分からないだろ。こんなに示してたって伝わんなかったんだから』
『でっでも……私があんたのこと好きなんて気持ちがあるなんて分かるわけ――』
『最初にゲームの事話して少し動揺して勘づいた。バレてないとでも思ってたわけ?後言っておくけど、さっきの奴俺の妹だから安心しな』
ゲームが始まる前と同じく勝ち誇った笑みを私に向けた。
ずるいよ馬鹿。
最初から全部分かってたんだ。
『負けたら何するか分かってるよな?』
『う、うん』
『俺と付き合って。明日の予定は俺が上書きしたから。だから俺の横にいて』
『……負けたからしょうがないか~』
『うわ、何それ』
『てっきり私の方がレベル上がってたと思ったのに』
『さあ?どうだか』
私の涙をそっと拭うと耳元に顔を近づけて来た。
『俺もお前が好きだよ』
ボッと顔が赤くなった私を見てケラケラと笑う。
そして私のスマホを取り出し、かっこいい彼に、
【ゲームオーバーしました。明日行けません】
と勝手に打ち込んだ。