黄昏の千日紅
スターチス
私の好きな彼は、ハニーブラウンの髪色をしており、ふわふわと、簡単に何処かへ飛んで行ってしまいそうな雰囲気がある。
周りの人は「蜂蜜みたいだからあだ名はハチにしよう」と言って、彼を「ハチ」と呼ぶことにした。
私もそれにつられて、いつしかハチと呼ぶようになった。
彼は今までに呼ばれたことがなかった為か、初めは戸惑いを見せていたが、慣れてきた頃にはすっかりその名前が定着したのか、反応の薄かった彼もすぐに気付いてくれるようになった。
私も周りも、毎日のように彼に癒される。
笑顔で彼を眺める幸せな日々。
私がハチの名前を呼ぶと、彼は心底嬉しそうな顔をして、わざわざ私の元へ駆け寄って来てくれる。
周囲は私が彼の名前を呼ぶ時が、ハチは一番嬉しそうにするだなんて言っていた。