黄昏の千日紅
それから何日か、何ヶ月経ったのかは分からない。
少女は妙に大きい音で目を覚ました。
「おい!居たぞ!高倉こっちだ!」
「はい!今行きます!」
少女の視界に、青い服や黒い服を着た人達が大勢飛び込んでくる。
その人達は、何か言葉を次々に発しながら段々と近付き、少女の体を布のようなもので優しく包み込んだ。
「もう大丈夫だよ」
見上げると、黒い服に身を包んだ男性が、少女を優しい眼差しで見下ろしている。
その布は頗る温かく、今迄に感じたことのないくらいの心地の良さを肌で感じた。